2020年01月17日

村はずれの古い造船所(2−1)

今回から5回に分けて、完成品を個別具体的に紹介する。
画像は全て、私自身の Flickr のアルバムページから引用した。

1.帆走形式のカッター漁船

古い漁船については、とにかく情報が無い。
〈設計図〉を意味する "plan" を検索ワードに加え、 "fishing cutter plan" で調べたものの、欲しい画像は見つからなかった。
故に、前回記述したとおり、いくつかのプラモデルを参考に、見よう見まねで漁船を製作することになった。
仕組みについては謎の部分が多く、締め切り間際まで調べたものの、答えの出せなかった点がいくつかあって正直悔しい。

ともかく、今回製作したものは、前方と後方にマストを持つヨールに似た形式の漁船である。主に使用された年代は、1920〜50年代にかけて。動力は、風力と併用で、蒸気またはディーゼルエンジンを使用する。
こうした形式のものは、現代に至っては殆ど残っていない。
ただごく一部、陸上でクラシック・カーを乗り回すように、大事に手入れしながら沖に出しているマニア、或いはベテラン漁師はいるようである。

今回は、船主の努力で現代までしぶとく生き残ったという設定で漁船を作ってみた。

★ ★ ★ ★ ★

まずは、正面から。
自画自賛は愚かだが、まずまず古臭い漁船に仕上がったのではないか?

大事に長いこと使い続けていることの象徴に、
メインマストの上部に、どら焼きのような形の白いレーダーアンテナを載せてみた。

20


★ ★ ★ ★ ★

続いて側面から背面にかけて。
漁港に繋留する際、岸壁や隣り合う漁船に接触しても安全なように、
しばしば緩衝材代わりに古タイヤが両舷にぶら下がっているのを見かける。
それを再現しようかどうか迷って、今回は止めた。
偶々かもしれないが、ヤード入りしている船の画像を幾つか見た結果、側面にタイヤがぶら下がっているものがなかったためである。もっとも、そもそも最初から取り付けていなかったか、或いはメンテナンスの邪魔になるから引き揚げ前に撤去したのかその点は不明だが、とにかくなかったので取り付けなかった。

畳んだセイル部分は、1 x 4 x 2/3 の白いカーブスロープを並べて再現した。

左舷の灰色のアームは、荷揚げ/荷下ろしやの他、漁に使用していたものと思われる。資料が見つからなかったため想像によるしかないが、おそらくは手繰網(たぐりあみ)のような漁法で使ったものと考えられる。

21

22

23


★ ★ ★ ★ ★

番号が前後するが、船尾のアップ。
船尾には船舶番号のつもりでナンバープレートを置いてみた。
プレートのステッカーについては詳しく覚えていないが、
確か随分前の Technic の 4WD のナンバープレートだったように思う。
ステッカーが貼りっぱなしだったもので、そのまま流用した。

25

★ ★ ★ ★ ★

ぐるっと回って船首。
構造上の問題で、舳先にポッチがどうしても飛び出てしまうので、
それを隠すのを兼ねて、船首像を取り付けてみた。
使用したフィギュアの元ネタは映画『アヴェンジャーズ』シリーズの何からしいが、
船首に据えると何となくポセイドンっぽくも見えるので採用した。

ヨーロッパ特にベルギー、オランダ、ドイツの北海・バルト海沿岸には、船首像に、カボテルマネケス( "Kaboutermannekes" )と呼ばれる精霊が宿るとの言い伝えがある。この精霊は、航行中の水夫達を傷病辛苦から守り、また水死した暁には天国に導くとされている。他方、これに見放された水夫の魂は永遠に海から逃れられないとも言われており、とりわけオランダ人の信仰は篤かったという。『さまよえるオランダ人』にも通じる話である。

通例、こうした船首像が設けられるのは大型船舶が主で、しかも現代に至っては稀だ。
さらに稀ながら、今でもごく一部の小型漁船に取り付けられているのを画像で確認した。もっとも、これは土俗信仰というよりは、おそらく船主の趣味ではないかと思われる。
今回の装飾は、信仰よりは船主の伊達と酔狂という設定で取り付けた。
半ばデコトラとその運転手のようなものである。

24

★ ★ ★ ★ ★

アンカー用のウィンチ。
このウィンチは見せかけではなく、実際に錨の上げ下ろしが出来るようになっている。
但し鎖の巻き取りは手動である。

スピードチャンピオン・シリーズにのみ入っている車のホイルキャップは、
結構使い勝手が良いので好きなパーツである。
今回の作品には、このウィンチのハンドルのほか、舵輪にも使った。

ウィンチの脇のマカロニ型の配管は、伝声管のつもりで置いてみた。
市販の船舶模型にはなかったものだが、この辺りは作者の遊びである。
小型船舶とはいっても複数人で扱う規模の船である。
昔の船ならあってもおかしくないだろうと思って置いてみた。

26

★ ★ ★ ★ ★

船室に至る角丸長方形のドア。

27

★ ★ ★ ★ ★

生け簀周辺。
この辺りの仕組みについて判然としない点が多い。
特にウィンチからアームまでのロープの取り回しがどうなっているのか判然としなかったため、今回は雰囲気だけの作り込みに止めた。
網やブイなどを雑然と配置するだけでも何とか場の誤魔化しにはなったかと思う。
もっとも、本来はあまり良くない処置なのだが…。

28

29


★ ★ ★ ★ ★

操舵室。
木造の操舵室。
屋根の上には、救命ボートの他、投光器と無線通信アンテナ。
軒の辺りには昔ながらの船鐘を吊す。
この鐘はかつて、時鐘として、或いは霧の中を航行する際の警鐘として用いられた。
今ではどちらの機能も失われていて、ただのお洒落アイテムと化している。

窓は真ん中を旋回窓にした。
旋回窓は、2x2のジャンパータイルに2x2の透明アンテナを貼り合わせて見立て、取り付けにはブラケットを使用した。

30

★ ★ ★ ★ ★

操舵室内部。
先述のとおり、舵輪はスピチャンのホイルキャップを使用。
程よい大きさで、この手の船の舵輪にはぴったりだ。
古い船と言えども、現代の航行には最新のテクノロジーが欠かせないのでコンピューターを設置した。
これで船舶レーダーの鮮明な画像や魚群を映し出すことが出来る。
一方で、昔ながらの伝声管も健在。

31

32

33

34


判りにくいが、以下の写真35 は操舵室内部の天井。
プリントタイルは無線通信装置に見立てたもので、
これは操舵室内部から見て正面右の窓の上部に当たる。

35

★ ★ ★ ★ ★

最後に救命ボートと浮き輪。
一体成形のボートを使う。
そのままだと味気ないので、少し手を加えてよりリアルにした。
浮き輪は、白と赤のマカロニ管を交互に繋いで作った。
但し、この方法で作るとポッチが何処にもなく固定する方法がないため、
どう取り付けるか非常に悩んだ。

36

37

★ ★ ★ ★ ★

以上、今回はここまで。

ちなみに…、
不定期にダラダラ続けて気付くと今回連載100回目。
posted by KM at 18:00| Comment(0) | 制作日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。