2018年04月18日

レゴ世界遺産展探訪6−4

★ 日本編 6−4 ★

前回の続き、今回はアマの建具について。

まず、〈アマ〉とは、
世界遺産相倉合掌集落保存財団HP
掲載の『合掌造り関連用語』の解説によると、
〈合掌造りの場合には屋根合掌空間内を言う〉とある。
平たく言えば、建物の屋根裏に当たる部分が〈アマ〉である。
しかし、これも細かく見れば、単に〈アマ〉といってしまうと屋根裏の初層部分、
2層目がある場合はそれを〈ソラアマ〉と言い、さらに3層目は〈サンガイアマ〉という。
語源について詳しくは判らないが、
おそらくは〈上〉を意味する〈天〉から来ているのだろう。

以下の写真は、アマの部分を接写したものだ。

〈写真@〉
白川郷9.jpg

この部分の建具は横組み。
壁も前回同様、横組みの上、裏返して経年美化した板壁に擬している。
ただ、作り方が少々異なるので解剖してみたい。
以下の図は、見た目を元に内部構造を推理し、
建具と壁の一部をLDDで描写したものである。
必ずしもこのとおりではないだろうが、
概ねこういう構造であることは間違いないだろう。

〈図@〉
白川郷壁面サンプル11.jpg

この部分、手前に板が張ってあって判りにくいが、
実は建具や壁は半ポッチ後ろにずらして設えられている。
手前の板を剥がし、建具以外の部分を着色し構造を明確にしたのが以下の図である。

〈図A〉
白川郷壁面サンプル13.jpg

裏から見ると、おそよこのようにはみ出しているはずだ。

〈図B〉
白川郷壁面サンプル12.jpg

     ★ ★ ★ ★ ★

個別に見る。
まずは障子窓。
パーツ構成は、概ね以下の通り。

〈図C〉
白川郷壁面サンプル14.jpg

障子の桟の部分は、グリルタイルで表現しているが、
下地の板には、トランスクリアのプレートが使われている。
おそらく以下のような形で配置したのだろう。
着色して構成を明確にしたものが図Dの右である。
トランスクリアのプレートは、1x2以上のサイズは希少なので、
おそらくこのように対処したものと考えられる。

〈図D〉
白川郷壁面サンプル15.jpg

上下二段に側面ポッチ付ブロックを配置して固定したのだろう。
建具の下端、桟の部分は、本来1x及び1x2のタイルとも色はタンである。
1x3タイルを使用せず、二つに分けているのは、
この作品が発表された当時、1x3タイルが流通していなかったためである。

〈図E〉
白川郷壁面サンプル16.jpg

     ★ ★ ★ ★ ★

次に板壁。
パーツの構成は、概ね以下の通り。これで間違いないだろう(図Fの左)。
板壁の横桟を取り払ったものが図Fの右である。
おそらく、1x2と1x3を互い違いに並べたものと推測される。

〈図F〉
白川郷壁面サンプル17.jpg

さらに板壁の表面を取り払い下地だけにしたのが以下の図Gの左である。
上からタイル、プレート、タイル、プレート、タイルの順に
ミルフィーユ状に組んだのだろう。
これを取り払い、支えの壁だけにしたものが図Gの右である。
ライトブロックの裏面にプレートをはめたものと考えられる。
この部分は、1x1のビームブロックでも同じ効果が得られる。

〈図G〉
白川郷壁面サンプル18.jpg

上の図を反対から見たものが以下の図だ。
タイルの組み合わせが以下のような塩梅なのは、先述の通りである。
今ならば、もう少し単純かつ強固な仕上がりになるだろう。

〈図H〉
白川郷壁面サンプル19.jpg

     ★ ★ ★ ★ ★

「どうやったら上手く作れますか?」
という問いに、折に触れてあれこれ答えてきたが、
今回また、一つの答えとして言えることがある。
それは、
「横組みを極めましょう」
ということ。
上に積んでいくものを横向きに積むと、いつもと違った比率の世界が見えてくる。
この作品はさらにその発展で、
パーツを裏返すことでさらに違う世界が広がることを教えてくれる。
そういう意味でも、これはとても希有な作品である。

横にして愉しむ、裏返して愉しむ。
パーツの見せる表情の変化に気づき、それをビルドに取り入れるためには、
横組みの知識をきちんと身につけなければならない。
事実、これがきちんと身につかないと、まずリアルなものを作ることは不可能である。
横組みについては、それだけでいつかまとめて記事にしたい。

註※ 写真@は筆者が撮影した。図@〜Hは、LDDを用い全て筆者が作図した。

次回に続く。


posted by KM at 08:00| Comment(0) | 作例研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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