2018年04月16日

レゴ世界遺産展探訪6−3

★ 日本編 6−3 ★

前回の続き。

合掌造り民家の壁は板壁である。
例えば、五箇山の合掌造り集落を含む富山県南砺市がまとめた
『五箇山合掌造り集落保存整備基準』によると、まず、

伝統的様式の柱・貫(ぬき)あらわしの板壁、左官壁とする。

とある。
仕上げ材で隠さず、構造をむき出しのままにすることを〈あらわし〉という。

板壁は、内法貫(うちのりぬき)上では横羽目板張り、内法貫下では竪羽目板張りを原則とする。左官壁は、材料の自然色仕上げとする。土蔵は左官壁による大壁造りとし、材料の自然色仕上げとする。腰部の下見板・板金・杉皮等の保護仕上げは、周囲の同種の特定物件に倣う。〉

内法貫とは、鴨居や窓・出入口の上部に取り付ける貫のこと。
貫とは、柱の列を横に通して安定させる用材のことである。
要は、鴨居や窓の上の部分は壁板を横に張り、それより下の部分は縦に張るという。
そういう細かい決まりがあるようだ。

レゴでどこまで表現したのか基準と比べてみると、そこまで厳密ではないようである。
一階の殆どの部分は、横張りにした1x4や1x6のプレートが占める。
二階以上は1x2と1x3プレートを併用し、縦張りに並べている。
いずれにしても特徴的なのは、プレートを裏返しにして使用しているところだ。
何故、裏返したのかは想像で埋めるしかないが、
例えば無垢材の木目や経年美化した色合い、風合いを見立てるべくそうしたのかもしれない。

〈写真@〉
白川郷10.jpg

〈写真A〉
白川郷12.jpg

しかし、ここまで大胆にパーツの裏面を壁に利用した作品を私は知らない。
パーツを裏返しにして張るというのは一見簡単そうだが、
しかし深く考えると、なかなか手間のかかる工作だ。

もっとも単純な方法は、以下の如きものである。
柱に側面ポッチ付ブロックを用い、板を裏返しに張り付けるといったものだ。

〈図@〉
白川郷壁面サンプル1.jpg

柱のパーツ構成を明示するために、着色すると以下のようになる。

〈図A〉
白川郷壁面サンプル2.jpg

ベースとなる板(黄色部分)と壁板となる茶色のプレートの間に、
厚さを調整するプレートを一枚挟むと見てくれが丁度良くなる。

〈図B〉
白川郷壁面サンプル3.jpg

ところで、以下のような角の部分の壁面はどう処理したのだろうか?
丁度いい写真が手元にないので、Norio NAKAYAMA氏の写真を参考に引用する。
〈画像@〉

(画像引用元=flickr内、Norio NAKAYAMA様のページから)
※ 画像クリックで引用元に遷移。

上の画像から、一階部分の張り出した部分をさらに拡大する(画像A参照)。
黄色の円内の部分のような角の壁である。
1x1の柱を角に据え、壁は直交するようにピタリと隙間なく置かれている。
ここは、どう処理したか?

〈画像A〉
白川郷NN1b.jpg
註1※ 上の画像は、クリエイティブ・コモンズ2.0に準拠し、筆者が加工した。

仮に、図@と同じ作りの壁をもう一つ作り、角の壁の一方にしようとすると、
下の図のように、ベースの板同士がぶつかり(赤丸部分)、上の画像の位置にとめることが出来ない。
〈図C〉
白川郷壁面サンプル8.jpg

では、どうするか?
例えば、一つの解決として、以下のようにベースの板(黄色)を一ポッチずらし、
任意の色の1x6タイルで補強する。
〈図D〉
白川郷壁面サンプル9.jpg

こうすることで、以下のように、所定の位置に隙間なく壁を立てることが出来る(赤丸部分)。
〈図E〉
白川郷壁面サンプル10.jpg

     ★ ★ ★ ★ ★

しかし、この作品の柱部分を拡大すると、1xnのブロックを積んだだけで、
間に細かくプレートを積分した様子はない。
ということは、別の方法で張ったということである。
とすると、こういうやり方をしたのだろう。

図Fの裏側が以下の図Gである。

〈図F〉
白川郷壁面サンプル4.jpg

1x1の穴あきブロックを等間隔に積分した壁を作り、
その穴に1x1プレートのポッチが嵌まるように並べてそれ以外の部分をタイルで埋める。

〈図G〉
白川郷壁面サンプル5.jpg

このやり方を応用すれば、以下のようにコーナー部分の問題も解決する。

〈図H〉
白川郷壁面サンプル6.jpg

〈図I〉
白川郷壁面サンプル7.jpg

おそらく、このような感じでやったのだろう。

次回、もう少し建具の話をもう少し掘り下げる。

註※ 写真@、Aは筆者が撮影した。図@〜Iは筆者がLDDで作図した。


posted by KM at 08:00| Comment(0) | 作例研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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