2016年09月09日

ハルツ狭軌鉄道編成(1-2)

前回の続き

コンテスト作品 036.JPG

〈ヴェルニゲローデの魔女祭〉で制作したこの機関車は、BR99 6001-4号機。
古くは"NWE Nr.21"と呼ばれたタンク式蒸気機関車である。

実物は、こちら。
640px-99-6001_Cayeux-c.jpg
(画像引用=NWE Nr.21に関するWikimedia

1939年、フリードリッヒ・クルップ社製造。
軸配置は1C1。
車両番号の"NWE"は、当時籍を置いていた鉄道会社"Nordhausen-Wernigeroder Eisenbahn-Gesellschaft(『ノルトハウゼン−ヴェルニゲローデ鉄道会社』)"の略で、
その21号機として任に当たっていた。
現在の車番は、第二次大戦後の1949年、
当時の東ドイツ国鉄(略称DR)により与えられたものである。

ナローの小型蒸気といっても、コンテストの規格内に収めるのはなかなか至難である。
Lゲージ規格である軌間6幅を4幅に変更、設定し、
車体を全長20ポッチ概ね6幅の範囲で無理矢理収めた。
当時3つの動輪にはすべて20歯ベベルギアが仕込んであり、
車体の真下、線路の間に水平に並べた12歯のベベルギアにより回転、
ロッドが動く仕組みになっていた。
しかし、そこまで凝った仕組みにしていたが、結局、落選。
ほどなく解体。
作動しているところを見た者は、クリブリのおねえちゃんだけである。

ところで、前年、2011年の5月、LEGO社が新たに Alian Conquestシリーズを展開し、
『エイリアンの母艦(品番7065)』をリリースした。
当時、これは画期的な商品で、他に見たことのない4幅の黒の曲線レールが一周分入っていた。
7065_alt1.jpg
(画像引用=Brickpedia英語版

これを入手した私は、そもそもコンテスト終了後、
4幅ゲージの作品を作るつもりでいた。
そのとき予定していた機関車が、これだった。

しかし、これも企画倒れに終わった。
4幅の直線レールが存在しないことが問題だったが、
既存のパーツを組み合わせて何とかなるだろうと考え、
事実、レールは自力で開発した。見た目も美しい(いずれ時機を見て公開予定)。
しかし、それだけで結構、費用が嵩むこと。その他、もろもろ面倒臭くなった故、開発を断念した。

その結果、今年に至るまで、車両はさらに休眠することになる。
続く。


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2016年09月08日

ハルツ狭軌鉄道編成(1-1)

ハルツ狭軌鉄道(Harzer Schmalspurbahnen/略称 HSB )。
蒸気機関車の牽引する観光列車で知られるこの鉄道は、
ドイツ北東部ザクセン=アンハルト州の小都市ヴェルニゲローデを起点に、
ブロッケン山頂、クヴェードリンブルク、ノルトハウゼンを結ぶ、
総延長約140キロのメーターゲージである。
640px-Harzquerbahn,_Ausfahrt_Drei_Annen_Hohne.jpg
写真引用=ハルツ狭軌鉄道(Wikipediaフランス語版)

そもそもこの鉄道を作ろうとした発端は、2012年冬まで遡る。
クリブリのコンテストに出品する作品のテーマに、
同鉄道のBR99形蒸気機関車を作ろうと考えたのが最初である。

レゴ創作における私の得意分野は、主に都市と交通。
当然コンテストにも、そういったものを主題とする作品を出展していた。

ところで、このコンテストのサイズ規定は、
タテ・ヨコ・高さが、20ポッチ x 20ポッチ x 30センチ 。
しかし、このサイズに適合する鉄道車両はなかなか見当たらない。
あっても、今一つ創作意欲を刺激しないものばかり。
大概、大きすぎて入らない。
縮小するにも限界がある。
そこで目を付けたのがドイツのメーターゲージだった。
それなら何かいいのがあるかもしれないと思い、
あれこれ調べて辿り着いたのがこの鉄道である。

その結果できたのが、この作品。
タイトルは、
〈ヴェルニゲローデの魔女祭(ヴァルプルギス・ナハト)〉。

コンテスト作品 033.JPG

ハルツ鉄道の終点の一つであるブロッケン山(標高1134メートル)は、
ドイツ中部ハルツ山地の最高峰で、理科の教科書でお馴染み
『ブロッケンの怪光現象』で知られる山である。

この山は、年一回、4月30日の日没から翌5月1日未明にかけて、
魔女が集い、宴を催し、春の到来を祝うと言われている。これが魔女祭である。
その様子はゲーテの戯曲〈ファウスト〉の中にも描かれている。

ハルツ観光の拠点であるヴェルニゲローデは、この魔女祭の頃、
文字どおり魔女の仮装で埋まる。
本作の舞台は、まさにその祭りに沸くヴェルニゲローデの街角。

箒に乗り損ねた本物の魔法使いの弟子が天から降ってきた。
驚く町人たち。
シェフは、広場で振る舞う大きなケーキを取り落とし、
大道芸の竹馬男はのけぞり、
警官の馬は暴れ、
黒ミサの司祭も慌てふためき、
忽ち混乱の巷となる。
そんな町中を何事もなかったかの如く悠然と走り去るハルツ蒸気…


そんなシナリオをベースに、
事実、町人が後ろにのけぞったり、大きなケーキを載せた担架が落ちたり、
いろいろ電動カラクリ仕掛けで動くように作っていた。

コンテスト作品 004.JPG

コンテスト作品 014.JPG

当時、クリブリに提出した詳細資料。
コンテスト提出資料1.jpg
コンテスト提出資料2.jpg
コンテスト提出資料1.jpg

当然、機関車の動輪もロッドも全て動いたのだが、
結果は落選した。
敗因を一言で片付けるなら、私のセンスの無さ。
具体的には、無闇に慣れないファンタジーに手を出したこと。
詰め込みすぎて判りにくくしてしまったこと。
テーマが日本に馴染みがなさ過ぎたこと、云々いろいろありすぎて話にならない。

作品は持ち帰った後、あまりにも腹が立ったので、機関車を除き、直ちに破壊した。
機関車だけ残したのは、それだけは出来が良く、壊すに忍びなかったからである。
もともとコンテストが無事終わったら、
機関車を改造し、客車を増結して走らせるつもりでいた。
しかし、それから諸々事情があり、計画は長らく放置されることになった。

続く
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2016年09月07日

アムステルダムの青電車(10)

IMG_6924.JPG

青電車について、
そもそもの製作理由は、昨年、結局未発表に終わった以下の作品(写真)に基づく。

初夏のアムステルダム。
運河沿いにはアパルトマンと街路樹。
橋を渡る古びた路面電車、
運河には水上バスが浮かび、水面をキラキラと波立てゆったりと過ぎていく。
飾り窓の女に恋をし破れ、酒浸りになった男は、
全てに疲れたように橋の欄干にもたれ、
死んだような目でぼんやりとその様を眺める。

そんなシナリオを具現化した作品だが、
どんなタイトルを付けたか覚えていない。故に単に〈作品〉と呼ぶ。

アムステルダム運河.jpg

これは、昨年開催された何処かの団体のレゴのコンテスト(以下、某コンテスト)のために製作した作品である。
タテ・ヨコ・高さ 32 x 32 x 32ポッチのサイズで何かを作るというもので、テーマは自由。
なので、アムステルダムの風景をテーマに製作した。

何故アムステルダムだったかというと、
単にそこが作ってみたい町だったからである。

普段の創作テーマは主に都市と交通である。
LEGO clickbrick(以下クリブリ)主催のオリジナルモデルコンテストでも、
しばしば鉄道の走る都市の風景を製作して出展している。

アムステルダム運河の風景は、
以前からクリブリのコンテスト向けのネタとして温存していた。
しかし、規定であるタテ・ヨコ・高さ、
20ポッチ x 20ポッチ x 30センチのサイズに収めることが難しく、断念していた。
しかし、この某コンテストの規格では三方が各々32ポッチ。
かなり広く地面が取れるので、このサイズなら可能だろうと判断し、製作することにした。

ちなみに、アムステルダムといっても実際にこういう場所は存在しない。
路面電車は実在の車両をベースにしたが、
水上バスは架空のデザイン。
橋や住宅のデザインは、アムステルダムの建築の特徴を研究し、
それらしい要素を集約して具体化したものに過ぎない。

コンテストの結果はどうだったかというと、一次審査で落とされた。
説明がないので、落選の理由は不明。
応募がギリギリだったので、審査書類の到達が期日に遅れたか?
それともそうではない別の理由だったのか?
何だか判らないが、当時とにかく不愉快だったため、
目に付いた関係する書類を全て破り捨ててしまった。それだけは覚えている。

だから、誰のどんな作品が入賞したのか、そもそも何処の団体が主催だったか、
全く知らない、覚えてない。
無論、ネットで調べれば判ることだが、
最早どうでもいいのでそうまでして知ろうとも思わない。
ともかく、そういうことがあって特に公開する気にもならず、
今日までお蔵入りにしていた。

落選後、直ちに書類は破棄したものの、
作品を壊すのは面倒臭かったので、そのまま一年近く放置していた。
部屋の隅で情けなく埃を被っていたが、いつまでもそのままにしておけない。
特に車両は割と出来が良かったので、そのまま壊すのは惜しく、
ならばJAMに向けて改作しようとなった次第である。

今回の青電車は、その時に製作した車両がベースになっているが、
コンテスト時の車両は、規定の範囲に収まるように作った関係で、
窓の数やパンタの形状などが実物と大きく異なっている。

ひとまずこれで、アムステルダムの青電車の話は、おしまい。
posted by KM at 04:45| Comment(2) | 制作日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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