2016年09月14日

ハルツ狭軌鉄道編成(2-3)

最後に客車を設計する。

客車のモデルは、HSB 900-490。
足回りの構造までばっちり写った実物の画像が見つからなかったので、
今回は鉄道模型の画像を参考に制作する。
元ネタはこちら→"modellbahnmanufaktur-crottendorf"(ドイツの手作り模型メーカー)

両エンドに乗降用のオープンデッキを伴った旧式の車両である。
諸元は不明。
ハルツの車両は、種々雑多だ。
前身となるNWE時代のものの他、旧東独国鉄傘下時代のオリジナル、
1960年代に相次いで廃線、払い下げとなったザクセン狭軌鉄道のナロー車両、
東西ドイツ統一後にそれらの旧式客車のデザインを踏襲し新造したものなどなど。
故に、似たような造りでありながら、それぞれ由来が異なるのでよく判らない。
ただ、床下に補強材と思われるワーレントラス様の梁が渡されていることから、結構古いタイプの車両ではないかと考えられる。

荷物車に比べると作りは割と単純である。
両エンドの貫通ドアも中心からずれた位置なので、そのまま単純な積分で対処出来る。
大して難しいところはない。

harz_cars_002a.png


荷物車もそうだが、今回、車両の屋根は、全てテクニックのカーブスロープを用いて葺いた。
この手法を採用した作家は、国内では私の知る限り聞かないが、
海外では少なくとも一人は存在する。
多少軸穴の目立つのが気になるが、特に違和感は無い。


harz_cars_002c.png


harz_cars_002d.png


カーブスロープのサイズは、11x3。
繋げて使うと広範囲を一度に広くアーチ形に葺けるのが利点だが、
しかし問題は、やはりそのサイズである。
レゴ・シティやトレインは偶数展開が基本なので、奇数というのはなかなか扱いにくい。

荷物車は全長22ポッチで収めたので、スロープ二つ分で綺麗に収まったが、
この客車の場合全長32ポッチ。
しかし、屋根は11の倍数でしか展開しないので、三つ繋げて33ポッチを適当とせざるをえない。
そのまま車両にはめると具合が悪いので、センターポッチプレートを用いて半ポッチずらし、
左右それぞれ1/2ポッチずつ均等にはみ出す形で処理して、バランスをとる。
ほんの少し屋根が飛び出しているが違和感はない。むしろリアルに感じるので、よしとする。

だが、問題はこれだけではない。
このパーツを図のように伏せて組み合わせた場合の高さは、2ポッチ相当。
普通に組んでしまうと、妻面には1ポッチ分の空間が出来ることになる。
つまり、その部分だけ横に組んで隙間を埋めなければならないということだ。
そこで以下のようにブラケットを用いて処理した(パーツを青く塗った部分)。
荷物車も同じ処理をして空間を埋めている。


harz_cars_002h.png



harz_cars_002b.png


大して難しくないとは言いながら、意外に手こずったのが、デッキの手すり周りのデザイン。
薄い鉄板と細い鉄棒の組み合わせなので、なるべくこういう要素はきちんと汲み取りたい。
普通に下から上まで黒のブロックで積分すると、厚くなりすぎる。
なので出来ればプレート2枚分の厚さに収まるようにしたいが難しい。
丸棒の適切な組み合わせもなかなか見つからない。
不格好、汚らしい、みっともないなど案は次々出てくるも満足行くものができず、
ようやくこれが限界だなという案が出たところで、ひとまずよしとした。

とりあえず、全体の設計はこれで終わり。
ソフトの機能を用いてパーツ一覧を生成し、不足のパーツを発注する。
材料がひととおり揃ったところで、いよいよ組み立て開始。

続く


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2016年09月11日

ハルツ狭軌鉄道編成(2-2)

荷物車を設計する。

レゴトレインの車体の基本幅は6幅である。
これは製品セットの規格でもあり、これに準拠するのが一般的である。
国内の作家の多くは、この6幅だ。
作りやすく、走行も安定しやすい。コスト面でもたかがしれているので、
与しやすいのは間違いない。

しかし、厳密には台車と車体の大きさのバランスがもう一つ悪く、
また細かく作り込みにくいという難もあり、
慣れてくると物足りなさを感じるところ多々なのが欠点といえば、そうかも知れない。
私が6幅をやらないのは、子供の時に散々作って飽きたのと、
満足にリアルに作り込めないという不満からである。

次いで多いのがおそらく8幅ではないか?
8幅の利点は、とにかくフルスケールで徹底的な作り込みが出来る点だ。
しかし、その反面、重厚長大化することでの様々な動作リスクや製造コストの問題など、
6幅では想像しない多くの課題に向き合う覚悟が必要となる。
実際、私はそれで苦しんでいる。
気楽に楽しむには少々ハードルが高いかも知れない。

そのなかにあって、7幅というのは実は一番均整の取れたサイズと言われているが…。

今回モデルにしたのは、HSB 900-151という、エンドの片方にデッキが設けられた2軸の荷物車である。
実物はこちら
"Gernrode: Gepaeckwagen, HSB 905-151 (2009)"(海外のフォトアルバムサイトより)

7幅の厄介な点は、幅が奇数であるが故、車両鋼体の設計が存外に手間という点である。
床一つ作るのも、6幅や8幅なら既存のプレートを並べるだけで済むが、
7幅となると、6幅 +1幅、或いは、
2幅 + 3幅 + 2幅プレートの組み合わせで対処しなければならず、
当然、床材同士の接合、補強用の材料も必要となる。

ことによっては屋根もそうだろう。
以前のレゴ・トレインセットの特急列車に入っていた赤い蒲鉾形の屋根は使えない。
飛行機用の8幅の屋根スロープも使えない。
楽に組むことが許されないのが7幅だ。
下手をすると、8幅より設計難度もコストも高いかもしれない。

harz_cars_003c.png


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トレイン用の車輪は、客車に対して径が少し大きすぎる。
今回、荷物車と客車の車輪は、トロッコ用の小径輪を用いる。

後で気づいて直したのだが、先述のとおり、この車両は2軸ボギー台車ではなく、2軸車である。
ハルツも様々な車両を保有している。
2軸ボギー台車の荷物車もあり、いろいろなイメージがごちゃまぜになっていた。

harz_cars_003g.png


harz_cars_003f.png

7幅の洗礼というべきか、
この車両の設計で何より面倒だったのは、妻面の貫通ドアの設置。
この車両の貫通ドアの位置は、デッキ側エンドとそうでないエンドで場所が異なる。
デッキ側エンドは、貫通ドアが妻面の中央より右に寄った位置にある。
従って簡単な設計で済んだが、反対側のエンドはドアが中央にある。

7幅の中央に2幅の窓を配置するのは至難である。
事実、配置を試みたが、どうやら完全に中央に収めるのは難しいと判明。
なので、図のようにブラケットを縦に並べ、
垂れている面の側面を、扉枠に見せかけることで片付けた。
約1/2プレート分ずれているが、許容範囲だろう。

とりあえず、これで荷物車はお仕舞い。
次は客車だ。

続く
posted by KM at 09:24| Comment(0) | 制作日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月10日

ハルツ狭軌鉄道編成(2-1)

ハルツ鉄道を軌間6幅で再現する。

JBF2016に参加するにあたり何か新作を作ろうと考えたが、
さりとて急に思いつくものは何もない。
そこで、投げ出したままになっていたハルツ鉄道の再現を試みる。
但し、軌間4幅ではなく6幅での再現である。

編成内容は、
BR99 6001-4 (モーター搭載/1両) + 荷物車(電源搭載/1両) + 客車(2両)

まずは車両の幅を決定する。
私が通常手がける車両は車幅8であるが、
今回はナローゲージ車両なので、
若干小さめの7幅で考える。荷物車、客車はこの幅で統一する。

しかし、蒸気機関車を作る場合は少し異なる。
車両全体をリアルに美しく作ろうと考えると、
どうしても基準となる車幅に対し、プラス1〜4程度大きくすることを考えなければならない。
例えば、客車を6幅基準に工作しているなら、多くの場合8幅が必要な大きさとなる。
今回、貨客車の基準7幅に対し、機関車の幅は8。
足回りの幅(ロッド等の飛び出し)を最大9幅態度に押さえ込むことを目指し工作する。

方針が決まったので、いよいよ設計に移る。
おそらく発注するパーツが出てくるだろうということで、
レゴ・デジタル・デザイナー(以下LDD)を使って、
どんなパーツが必要かを割り出しつつ第一案を設計する。
以下、その第一案。

99-6001-4b.png

99-6001-4c.png

機関車の車輪は純正品ではなく、
サードパーティであるBig Ben Bricks社(以下、BBB)のMホイールの使用を予定。
事実、それで制作した。
BBBの車輪は当然、画像に反映されないので、ここではプーリーを代用している。
プーリーにタイヤを履かせたものはフリンジ有りMホイール、
ないものはフリンジ無しのホイールと径がほぼ同じ。
またホイールの厚みはプーリーを二つ重ねたものと同じである。

但し、プーリーの軸穴の周囲の六つの穴と、Mホイールのロッド用の軸穴の位置は微妙に異なる。
ロッドが組まれていないのは一つにこの事情にもよるが、
それだけでなく、そもそもこればかりは、
実際に組んでみないとどう作用するか判らないことが多いためである。

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ドイツ蒸気の問題は、足回りの基本が赤一色なので、
黒しか供給のないトレインモーターは使えない点にある。
当然、この機関車の動力も自作。
小編成向けの機関車のようなので、モーターはLモーターを採用した。
自作動力である以上、動力と動輪をギアで繋ぐ必要があるが、
LDDではテクニックの描画の勝手が非常に悪く面倒なので割愛する。
実際に動かしてみると判るが、LDDでテクニックの描画はとてもではないがやってられない。

概ね描けたら、次に荷物車、客車の設計に移る。
続く
posted by KM at 08:42| Comment(0) | 制作日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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