2018年05月11日

レゴ世界遺産展探訪10−6

★ アジア編1−6 ★

前回の続き

★ ★ ★ ★ ★

世界遺産展作家に学ぶ
植栽の作り方
(5)

前回、前々回と読まれている方は、
〈植栽Cの作り方〉まで読み飛ばして下さい。

〈写真@〉
シンガポール1.jpg

引き続き、植え込みの作り方について。
おさらいとして、この〈シンガポール植物園〉(写真@参照)の植え込みには、
以下の3通りの手法で作られたものが用いられている(写真A※1)。

内訳は左から、
・葉っぱパーツを編んで作ったもの(植栽A)、
・四弁の花パーツで作ったもの(植栽B)、
・1x2プレートで作ったもの(植栽C)の三通り。
()内の名称は、それぞれ便宜上の呼び名である。以後この名で呼ぶ。

〈写真A〉
植栽ABC.jpg
 以上は筆者が手持ちのパーツでこさえたため、
   作品に用いられているものとは色が異なる。

今回は、このうちCについて。

★ ★ ★ ★ ★

〜 植栽Cの作り方 〜

・想像される材料(※2
1x2プレート………………6枚(色は任意。基本は緑系統)
2x2ラウンドプレート……3枚(色は任意。基本は緑系統)
六つ股茎パーツ………………1つ
1x1円筒ブロック…………1個(色は任意。基本は茶色)
 視認した範囲で確認出来るパーツから作り方を解析したため、見えない部分では材料や個数など多少違っている可能性がある。

〈写真B〉
植栽C1.jpg

まず、この植栽に用いられている特殊な技法について。
この植栽には、1x2プレートが用いられているが…、

〈写真C〉
植栽C2.jpg

これを裏返すと、真ん中に芯が中空になっているピンが立っているのが判る。

〈写真D〉
植栽C3.jpg

そのピンの穴に、茎を挿すことが出来る(写真E※3、青矢印参照)。

〈写真E〉※3 緑のパーツ同士で判りにくいので、プレートを黄色に変更。
植栽C4.jpg

結果は以下のとおりである(写真FG参照)。

〈写真F〉
植栽C5.jpg

〈写真G〉
植栽C6.jpg

以上の技術を踏まえて、いよいよ作り方。
茎パーツに幹となる円筒ブロックを挿し、これを持ち手として作業する。

〈写真H〉
植栽C7.jpg

六つ股の茎のうち、下の三本の茎に、ポッチを外側に向けてラウンドプレートを通す。

〈写真I〉
植栽C9.jpg

最終的には以下のような形で収まる。

〈写真J〉
植栽C8.jpg

ラウンドプレートを通した茎の先端に、1x2プレートを挿して止める(写真K参照)。
これを合計3回繰り返すと写真Lのようになる。

〈写真K〉
植栽C10.jpg

〈写真L〉
植栽C11.jpg

最後に、上向きの3本の茎に1x2プレートを挿すと出来上がり。

〈写真M〉
植栽C12.jpg

     ★ ★ ★ ★ ★

やってみて判ったことはいくつかある。

まず一つ、
ミニフィグサイズのジオラマへの応用は難しいのではないかということ。
葉というのは何処かしら丸みを帯びているものである。
とすると、1x2プレートの角が立っているのは違和感を覚える。
造形美としては好き嫌いの分かれるところだろう。

二つ、
むしろ、見立てが最大限に物を言うマイクロビルドの世界には
向いているかもしれない。
その世界ならば、これ一つで常緑広葉樹の大木と見立てることが出来る。

〈写真N〉
植栽C応用1.jpg

使っている材料をオレンジを中心とする暖色でまとめたなら、
落葉広葉樹の大木となる。
写真Nは、黄色とオレンジの1x2プレートを半々、
2x2ラウンドプレートをダークオレンジにして紅葉した木に見立てた。

〈写真O〉
植栽C応用4.jpg

最後に、思いつきで桜に見立ててみた。
1x2プレートを白とピンクを半々(全部白でもいいかもしれない)、
2x2ラウンドプレートは白を使用した。

〈写真P〉
植栽C応用3.jpg

三つ、
逆に、リアルサイズのものを作るときには使えるかもしれない。
その仕上がりは、付け合わせのパセリ、
或いはブロッコリーのような見た目である。
そのままだが、
例えば、レゴで食品サンプルを作るといった特殊造形には向いているだろう。

     ★ ★ ★ ★ ★

以上、この項、終わり。

次回、世界遺産展の話はお休み。
この話題の延長で〈私流、植栽の作り方〉を予定。

註※ 写真は全て筆者による。
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2018年05月10日

レゴ世界遺産展探訪10−5

★ アジア編1−5 ★

前回の続き

★ ★ ★ ★ ★

世界遺産展作家に学ぶ
植栽の作り方
(4)

前回、読まれた方は、
〈植栽Bの作り方〉まで読み飛ばして下さい。

〈写真@〉
シンガポール1.jpg

引き続き、植え込みの作り方について。
おさらいとして、この〈シンガポール植物園〉(写真@参照)の植え込みには、
以下の3通りの手法で作られたものが用いられている(写真A※1)。

内訳は左から、
・葉っぱパーツを編んで作ったもの(植栽A)、
・四弁の花パーツで作ったもの(植栽B)、
・1x2プレートで作ったもの(植栽C)の三通り。
()内の名称は、それぞれ便宜上の呼び名である。以後この名で呼ぶ。

〈写真A〉
植栽ABC.jpg
 以上は筆者が手持ちのパーツでこさえたため、
   作品に用いられているものとは色が異なる。

今回は、このうちBについて。

★ ★ ★ ★ ★

〜 植栽Bの作り方 〜

・想像される材料(※2
六つ股茎パーツ……………………2つ
1x1四弁フラワープレート……13個(色は任意)
1x1円筒ブロック………………1つ(色は任意)
 視認した範囲で確認出来るパーツから作り方を解析したため、見えない部分では材料や個数など多少違っている可能性がある。また、花を黄色にしたのは、その方がより見やすいだろうと判断したのと、そもそもブライトグリーンが10個しか手元になかったためである。

まず1x1円筒ブロックに、
六つ股茎パーツ一つを差し込む。

〈写真B〉
植栽B1.jpg

〈写真C〉
植栽B2.jpg

〈写真D〉
植栽B3.jpg

次に、先ほど一体化したものに、
もう一つの茎パーツを伏せて載せる。

〈写真E〉
植栽B4.jpg

すると以下のようになる。

〈写真F〉
植栽B5.jpg

これに順次、花を付けていく。

〈写真G〉
植栽B6.jpg

基本的には、ポッチを上に向けて茎に挿していくが、
どうしても、そのまま挿したのでは
先に挿したパーツと干渉して上手く留まらなところが出てくるので、
その場合はパーツの天地を逆にして挿し込む。

〈写真H〉
植栽B7.jpg

最後に天辺にプレートを挿して出来上がり。

〈写真I〉
植栽B8.jpg

〈写真J〉
植栽B9.jpg

よく出来ている。
茎同士の接着は出来ないが、
フラワープレート同士が複数箇所で互いにロックしあうので意外に強固である。
少々雑に扱っても二つの茎が分離することはない。

     ★ ★ ★ ★ ★

これは応用が利く。
前回の植栽Aとは異なり、単独でもいろいろ使えそうだ。

〈植物園〉のようにフラワープレートをブライトグリーンにすれば、
ミニフィグスケールの町並みの灌木として用いることが出来る。
マイクロビルドの町並みなら、これ一つで大木が表現できるだろう。

まず応用例として、マイクロビルド向けに、
ミモザ(ギンヨウアカシア)の木を作ってみた。
フラワープレート、ブライトグリーンとイエローを適当な個数混ぜて使用。
木に見えるように、円筒ブロックから1x1コーンに変えて裾広がりにしてみた。
〈写真K〉
植栽B応用5.jpg

ミニフィグスケールの町に話を戻せば、
黄色や赤の花に変え、幹の部分の円筒ブロックの色を
灰色やツヤ消し銀にして店先に並べれば花屋が出来る。

足の部分を円筒ブロックから、1x1穴あきラウンドプレートに変えてやると、
さらに樹高の低い灌木となる。
身の回りでよく見かける植え込みを再現することも可能だ。
応用例として、手持ちのパーツでオオムラサキツツジを作ってみた。
この花は、一般家庭の庭木としては勿論、
公園、或いは歩道と車道の境目の植え込み、高速道路の中央分離帯など、
公私問わず広く栽培されている花木である。

今回はブライトグリーン10個とダークピンク3個で作ったが、
ダークピンクの花はもう少し多くてもいいかもしれない。

〈写真L〉
植栽B応用4.jpg

幹の部分を2x2の樽パーツや"Scala"の植木鉢に変えたら、
假屋崎省吾氏が手がけそうな
大型のフラワーアレンジメント作品に見立てることも出来るだろう。

〈写真M〉
植栽B応用3.jpg

〈写真N〉
植栽B応用1.jpg

〈写真O〉こうすると、トロフィーも巨大な花瓶になる。
植栽B応用2.jpg

こんなやり方もある。
花に短い鎖を二つ「く」の字に繋いで、花に付けてやると、吊しの花かごが出来る。
これを背の高い街灯に吊してやると、それだけでお洒落な街角のシーンが出来る。

〈写真P〉
応用・街灯1.jpg

〈写真Q〉
応用・街灯2.jpg

     ★ ★ ★ ★ ★

但し、少しばかりデメリットもある。
これを大量に作ろうとすると、国内のパーツ屋からの調達では高く付く。
必然、ブリックリンクを使うことになる。

     ★ ★ ★ ★ ★

次回に続く。

註※ 写真は全て筆者による。
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2018年05月09日

レゴ世界遺産展探訪10−4

★ アジア編1−4 ★

前回の続き

★ ★ ★ ★ ★

世界遺産展作家に学ぶ
植栽の作り方
(3)

今回は植え込みの作り方について。
ところで、この〈シンガポール植物園〉の植え込みには、
以下の3通りの手法で作られたものが用いられている(写真@※1)。

内訳は左から、
・葉っぱパーツを編んで作ったもの(植栽A)、
・四弁の花パーツで作ったもの(植栽B)、
・1x2プレートで作ったもの(植栽C)の三通り。
()内の名称は、それぞれ便宜上の呼び名である。以後この名で呼ぶ。

〈写真@〉
植栽ABC.jpg
 以上は筆者が手持ちのパーツでこさえたため、
   作品に用いられているものとは色が異なる。

植え込みは、”Bandstand”を中心に
4重の同心円を描くように配置されている。

〈写真A〉
シンガポール1.jpg

植え込みのパターンは、
一番外側は、笹パーツの単純位置によるもの。
続いて外から内に向かって、植栽A、B、Cの順である。

〈写真B〉”Bandstand”向かって左側。
シンガポール3.jpg

〈写真C〉”Bandstand”向かって右側。
シンガポール4.jpg

〈写真D〉植え込みを拡大。
シンガポール5.jpg

では、それぞれ順番にその作り方を見ていこう。

★ ★ ★ ★ ★

〜 植栽Aの作り方 〜

・想像される材料(※2
1x1両側ポッチブロック…1つ(色は任意。但し目立たない色)
1x1ラウンドプレート……1つ(色は任意。但し目立たない色)
葉っぱパーツ(小)…………4枚(色は任意)
 視認した範囲で確認出来るパーツから作り方を解析したため
   見えない部分では材料や個数など多少違っている可能性がある。

〈写真E〉
植栽A1.jpg

この植栽は葉っぱパーツ同士を編み込むことで成る(写真F参照)。
基本的な考え方は以下のとおりである。
黄緑の葉の青丸部分を緑の葉の股に押し込む。
素材自体は柔らかいので、コツさえ掴めばすぐ出来る。

〈写真F〉
植栽A2.jpg

すると、以下のようになる。

〈写真G〉
植栽A3.jpg

これを応用して、四つの葉っぱパーツを互い違いに編み込んで繋げる。
繋げたものが以下の写真Hである。

〈写真H〉
植栽A4.jpg

次に、地面に固定する部分、
所謂、根と幹になる部分だが、
この部分は現場で視認出来なかったので想像である。
おそらく、
1x1両側ポッチブロックに、
1x1ラウンドプレートを貼り付けたものが使われた筈である。
ラウンドプレートの効果は後述する。

〈写真I〉
植栽A5.jpg

これを連ねた葉っぱパーツの一番左の葉に取り付け、
一番右の葉で挟むように取り付ける(写真J、K参照)。

〈写真J〉
植栽A6.jpg

〈写真K〉
植栽A7.jpg

出来上がったものが、以下である。

〈写真L〉斜め上から。
植栽A.jpg

〈写真M〉斜め横から。
植栽A8.jpg

1x1ラウンドプレートを一つ挟んだのは、
植栽の膨らみ具合の調整のためである。
試しに二つ挟んでみたが膨らみすぎて見た目が悪かったので、
やはり、一つが適当だろう。

〈写真N〉真横から。
植栽A9.jpg

     ★ ★ ★ ★ ★

やってみて判ったこととして、

一つ、
これ一つ作っただけではあまり様にならないということ。
写真BCDのように、
いくつか横に連ねた方が、より植え込みらしい雰囲気となるだろう。

二つ、
写真Mのようにこれだけをポツンと置いてしまうと、
足下が寂しい。なにより形状が不自然である。
この作品の場合、外周を笹パーツで埋めたのは、
一つに植え込みの下草の自然な感じを出すため、
そしてもう一つ、この足下の不自然さを隠すのが目的だろう(写真BC参照)。
実際に個人作品に応用するなら、
例えば高さ1ブロック分程度で花壇の縁を作るなどの工作が必要と思われる。

三つ、
編み込んだ葉をトンネル状に丸めて止めただけなので、
写真Nのように片側が大きく開いてしまい、
これが見えてしまうととても興ざめである。
止めた側の面も同様である。
出来ればこうした面を隠すように、
何かしらの構造物をそれらしく配置する必要がある。
この作品の場合は建物の壁だが、
個人作品に応用するなら、街灯や信号機の支柱、高木などといったところか。

     ★ ★ ★ ★ ★

この葉っぱの編み込みの技法は、かなり応用の利く技術で、
面白い作例もいくつかある。が、今回は割愛する。
いずれどこかの機会でまとめたいと思う。

次回は、植栽BとCの作り方。

続く

註※ 写真は全て筆者による。
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